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派遣禁止業務とは?禁止の理由と例外や罰則を解説

掲載日2021年3月23日

最終更新日2021年9月28日

目次

    人材派遣は、必要な時に必要な人材を確保することができる利便性の高いサービスです。急な欠員や期間が限定されている業務、専門性のある人材が必要になったなどの理由から、多くの企業が利用しています。しかしながら、依頼したい業務において、人材を派遣してもらえるのか気になるという声をよく聞きます。

    確かに直接雇用の従業員とは異なり、人材派遣では禁止されている業務があります。気づかずに派遣を受け入れてしまうと、故意ではなくても法令違反となるため注意が必要です。ここでは禁止されている業務や禁止の理由などを解説していきます。

    業務内容だけでない派遣法のルール

    人材派遣には派遣法で定められたルールがあり、業務内容だけでなく受け入れのプロセスや期間の制限など直接雇用の従業員採用のルールとは異なります。下記資料では知っておきたいポイントやよくある質問などもご紹介しています。

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    「派遣禁止業務」とは

    派遣が禁止されている業務を正しくは「適用除外業務」といいます。なぜ禁止業務が定められたのか、違反するとどのような罰則があるのかを解説します。

    派遣禁止業務が定められた理由

    労働者派遣法は1986年に施行されました。終身雇用が主流だった時代背景もあり、正社員が派遣社員に置き換えられないよう、派遣法では専門性のある職種に限定して、人材を派遣することを認めました。これをポジティブリスト方式といいます。

    詳しくは「労働者派遣法とは?2021年4月改正までの派遣法の歴史を徹底解説」でも解説していますが、段階的に規制が緩和され、現在では派遣禁止の業務をリストアップし、それ以外の業務は派遣することができるネガティブリスト方式になりました。

    派遣できる業務が拡大している一方で、派遣期間は原則3年までと定め、人材派遣は臨時的・一時的な働き方であると明確に位置づけられました。

    派遣禁止業務を受け入れた時の罰則

    派遣禁止業務で人材を派遣した派遣会社は、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」という罰則の対象になり、業務改善命令や業務停止命令を受ける場合があります。

    派遣禁止業務を受け入れた派遣先企業の場合、違反を是正するよう勧告され、その勧告に従わないときは、企業名などが公表されることがあります。また違法な派遣を受け入れたとして、労働契約申込みみなし制度の適用を受ける場合があります。労働契約申込みみなし制度とは、違法な派遣を受け入れた派遣先企業は、派遣会社と派遣社員が契約している同一の雇用条件で、派遣社員を雇用する義務が生じる制度です。詳しくは「派遣社員を受け入れるときに知っておきたいポイント」をご覧ください。

    派遣禁止業務

    派遣禁止業務の詳細や禁止理由、例外などについて業務別に解説します。

    建設業務

    建設業務は、下請けが何重にも発生することが要因で雇用関係が不明確になりやすいので、是正するための「建設労働者の雇用の改善等に関する法律」が定められています。人材派遣サービスの導入は、建設労働者の雇用改善を図る上で、悪影響を及ぼす可能性があるという判断から、建設業務への派遣は禁止されています。

    建設業務とは、工事現場での土木、建築、その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体の作業や準備にかかわる業務です。また建設現場における業務に類似しているということで林業における造林作業や素材生産作業の一部も対象となります。なお業務の一部でも建設業務が含まれている場合、違法としてみなされます。

    禁止業務の具体的な例としては、以下のようなものがあります。

        • 建築現場での資材の運搬・組み立て・家屋の解体
        • 工事現場での掘削・埋め立て作業、資材の運搬・組み立て
        • 建築・土木工事でのコンクリート合成や建材の加工
        • 建築・土木工事現場内での資材や機材の配送
        • 壁や天井・床の塗装や補修、固定、撤去
        • 電飾版や看板などの設置、撤去
        • 配電・配管工事、機器類の設置
        • 現場の整理・清掃
        • イベント会場の大型テント・大型舞台の設置
        • 仮設住宅(プレハブ住宅等)の組立
        • 専任の主任技術者及び監理技術者

    工事現場でも以下の業務であれば、派遣が認められています。

        • 建設現場での事務業務
        • 施工管理業務

    港湾運送業務

    港湾運送業務は、日によって仕事量に大きな差があり、安定的に人材を確保するのが困難です。その特殊性を考慮しながら、労働力の需給調整を行う「港湾労働者派遣制度」が導入されています。そのため人材派遣サービスの必要はないと判断され、派遣が禁止されています。

    港湾運輸業務とは、港湾における船内荷役・はしけ運送・沿岸荷役やいかだ運送、船積貨物の鑑定・検量等の業務(港湾労働法第二条第二号に規定する港湾運送の業務)が該当します。

    禁止業務の具体的な例としては、以下のようなものがあります。

        • 湾岸と船舶間の貨物の積み降ろし
        • 船舶上の貨物の移動、固定
        • 船舶上、船舶から降ろした貨物の荷造り・荷ほどき
        • 船舶上の貨物の梱包・袋詰め・包装のし直しなど
        • 船舶や湾岸における貨物の積み降ろし場所の清掃
        • 港湾内での貨物の運送(船舶で運ばれたもの)
        • 港湾倉庫内での貨物の荷解き、仕分け作業
        • 運送車両・鉄道への船舶および湾岸倉庫からの貨物の積載や荷降ろし

    警備業務

    警備業務は、適正な業務遂行ができるよう、警備業者が警備員を直接雇用して指導監督を行い、自らの責任において業務を処理することを「警備法」で求められているため、派遣が禁止されています。

    派遣が禁止されているのは、店舗や事務所、企業、住宅、催事場、駐車場、遊園地などにおいて、盗難などの事故の発生を警戒し、防止する警備業務です。現金輸送といった重要器物に関する警備も含まれます。

    禁止業務の具体的な例としては、以下のようなものがあります。

        • 催事場、店舗前での手荷物検査
        • 不審者への声かけ・注意
        • 警戒のための巡回・巡視
        • 混雑する場所での人の整理、駐車場での誘導
        • 不審者の追跡など
        • 運搬中の貴重品の監視
        • 防犯通報の待機
        • 警備目的での常駐

    なお、以下のような例でも、禁止業務に該当する可能性があります。

        • 販売業務に従事する派遣社員が、レジ前で混雑する列を整理する(声かけを行う)
        • 受付業務に従事する派遣社員が、受付前の不審な動きをする人物に声をかける

    病院や医療関連施設における医療関連業務

    医療業務は医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師などの専門職が一つのチームを形成し、医療を提供します。そのため派遣会社が労働者の決定や変更を行う派遣事業では、チーム内で十分な意思疎通が図れず、「チーム医療」 に支障が生じる可能性があると判断され、派遣が禁止されています。

    派遣が禁止されている医療関連業務とは、病院や診療所など医療関連施設における医師、歯科医師、薬剤師、看護師・准看護師、保健師、助産師、栄養士、放射線技師、歯科衛生士、歯科技工士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、言語聴覚士、救命救急士などが該当します。

    ただし、次のような理由であれば、派遣が可能です。

        • 直接雇用が前提の紹介予定派遣
        • 病院・診療所などの医療関連機関以外の施設での業務(老人ホーム、社会福祉施設など)
        • 産休・育休・介護休業期間の代替業務
        • へき地や離島、もしくは厚生労働省が認めた場所での業務

    診療所の設置場所や、社会福祉施設の役割によって派遣可否の判断が異なるので、注意が必要です。

    士業

    弁護士、税理士、外国法事務弁護士、弁理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、土地家屋調査士、公認会計士など、いわゆる「士業」に当たる業務は、派遣の対象外とされています。これらは個人で資格を有し、依頼人から委託された業務を行います。指揮命令を受けることがないため、派遣が禁止されています。

    ただし、公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士の業務については、一部で派遣が可能となるという例外もあります。

    上記以外にも、人事労務管理関係の業務のうち、団体交渉や労使協議の際の使用者側の直接当事者として行う業務においても、派遣は禁止されています。

    参考:労働者派遣事業関係業務取扱要領|厚生労働省

    業務以外で禁止されていること

    派遣法では派遣社員を保護するため、業務以外にも禁止事項を設けています。派遣先企業として留意すべき禁止事項を解説します。

    日雇派遣禁止

    短期間での派遣就業では、労働者の収入が不安定になります。また派遣会社、派遣先企業共に適正な雇用管理をすることが難しいという判断から、2012年の改正労働者派遣法で、日雇い労働者(日々もしくは30日以内雇用期間)の派遣は原則禁止となりました。

    日雇派遣は条件に当てはまれば、派遣が認められています。日雇派遣が認められている条件は次の通りです。

    【日雇派遣が可能な労働者】
    ✔ 60歳以上の人
    ✔ 雇用保険の適用を受けない学生
    ✔ 副業で従事する人(生業収入が年500万円以上)
    ✔ 主たる生計者以外の人(世帯収入が年500万円以上)

    【日雇派遣が可能な業務】
    ✔ ソフトウェア開発・機械設計・研究開発
    ✔ 通訳・翻訳・速記・秘書
    ✔ 事務用機器操作・ファイリング・取引文書作成・財務処理
    ✔ デモンストレーション・OAインストラクション
    ✔ 受付・案内・添乗
    ✔ 事業の実施体制の企画・立案・調査
    ✔ 書籍等の制作・編集・広告デザイン
    ✔ セールスエンジニアの営業・金融商品の営業

    二重派遣の禁止

    二重派遣とは、派遣会社から派遣された派遣社員を、派遣先企業が別の企業へ労働力として提供することを指します。仲介が入ることにより、派遣社員の賃金が安くなる危険性や、派遣会社と派遣社員の間で締結した雇用契約と、実際の就業状況に乖離が発生し、適正な雇用管理をすることが難しいという判断から禁止されています。詳しくは「二重派遣に該当する行為とは?基本的知識と違法となるケースを解説」をご覧ください。

    離職後1年以内の元社員の派遣受け入れ禁止

    離職後1年以内の元従業員は就業時の雇用形態にかかわらず、派遣社員として受け入れることができません。派遣社員になることで、労働条件が引き下げられることを回避するためです。

    労働者自身が希望しても、離職後1年間は派遣社員として受け入れることができません。この禁止事項は法人単位で禁止されているため、就業場所等が異なっても受け入れは禁止です。関連会社は受け入れ制限の対象外となります。

    (60歳以上の定年退職者は対象外となります)

    特定行為(面接・書類選考)禁止

    人材派遣は「労働者を派遣するサービス」の提供であるため、派遣先企業が派遣社員を選ぶ行為(書類選考や面接)は禁止されています。派遣社員が派遣会社から打診された業務を受けるかどうか判断するために自ら希望し「職場見学」を実施することは可能ですが、派遣先企業が派遣社員を特定することとならないよう注意が必要です。

    まとめ:禁止業務を理解し適切な派遣受け入れを

    禁止されている業務は専門性や特殊性の高い業界での業務が中心となります。しかし禁止業務が業務の一部だったとしても派遣社員に依頼してしまうと、違法派遣とみなされる可能性が高いので注意が必要です。違法派遣を受け入れないためには、派遣事業の許認可を受けている会社を選んでください。また厚生労働省では、法令を遵守している派遣会社を「優良派遣事業者」として認定しているので、派遣会社選びの参考にするのも良いでしょう。

    優良派遣認定事業者一覧|厚生労働省

     
      

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    著者プロフィール

    マンパワーグループ株式会社

    世界75カ国・地域に2,200のオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。 リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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