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注目を集める「在宅派遣」、そのメリットと対策は?

掲載日2020年11月 5日

最終更新日2021年9月24日

目次

    新型コロナウイルス感染症拡大防止策として、多くの企業が「在宅勤務」の導入に迫られる中、派遣社員についても在宅勤務制度の活用が求められています。そもそも、正社員だけに在宅勤務を適用するのは、非効率的な業務体制になってしまう可能性が高く、在宅勤務を利用できない派遣社員が不公平感を感じてしまう恐れもあります。

    とはいえ、派遣社員に在宅勤務を依頼することは可能なのでしょうか?また、どのようなメリットがあるのでしょうか?今回は、在宅派遣導入の可否やメリット・対策などについて解説します。

    派遣社員の在宅勤務 注意すべきポイント

    自社従業員のテレワークと派遣社員の在宅勤務ではリスクに大きな違いはありません。自社従業員のテレワークと同様の環境整備・リスク対策を行う必要があります。ただし、就業中の派遣社員の勤務形態をテレワークに切り替える場合、契約内容や業務の運用ルールなどを確認し、必要な取り決めの設定や各種対策を行う必要があります。
    詳細については、下記の資料でご案内しています。
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    派遣社員の在宅勤務は可能か?

    派遣社員は、直接雇用の正社員やアルバイト・パートスタッフと雇用形態が異なるため、「そもそも在宅勤務制度を活用できるのか」といった疑問があるかもしれません。そこで、まずは「派遣社員に在宅勤務は導入可能なのか」について解説します。

    厚生労働省の見解は「可能」

    2020年、厚生労働省は新型コロナウイルス感染症拡大防止への対策のために、関係各所(日本人材派遣協会や商工会議所など)に対して派遣社員の在宅勤務の実施を適用するように要請しています。これまで、派遣社員の在宅勤務を国・行政が今回ほど盛んに推し進めることはありませんでしたが、派遣社員の健康・安全面や新型コロナウイルスの感染症拡大という事態を受け、行政から派遣社員の在宅勤務対応が推進されるようになりました。

    労働者派遣契約の変更が必要

    厚生労働省が要請しているからといって、就業中の派遣社員をそのまま在宅勤務に切り替えられる訳ではありません。派遣社員の就業形態を在宅勤務に切り替えるには、労働者派遣契約の「就業場所」に「従業員の自宅」と記載する必要があります。また、実際に在宅勤務をおこなった日については、派遣先管理台帳に就業場所として「自宅」と記載する必要があります(具体的な住所の記載は不要)。

    現時点での厚生労働省の見解は、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止」としての特例的処置という扱いになるため、新型コロナウイルス禍の収束後の対応方法、就業方法の切り替え時期などについて想定しておく必要があります。

    派遣社員に在宅勤務を活用する企業側のメリット

    派遣社員に在宅勤務を活用する企業側の主なメリットとしては、次のような点が挙げられます。基本的に、「正社員やアルバイトスタッフを在宅勤務にするメリット」と大きな違いはありません。

    ✔ コストの削減につながる

    交通費やオフィスコスト(光熱費・通信費など)の削減が期待できます。また、中・長期的な視野で見ると、スモールオフィス化によるテナント賃料のコストダウンも期待できます。

    ✔ 労働生産性の向上が期待できる

    無駄な会議や移動時間の削減により、業務効率の向上が期待できます。

    ✔ BCP対策につながる

    BCP対策とは、大規模な自然災害や疫病の流行などが発生しても基幹業務を継続できるように、労働環境を整備しておくことを指します。在宅勤務やITツールの導入などの対策を講じることで、本社が大きなダメージを受ける、スタッフが出社できない、という状況になったときも事業を継続できる可能性が高まります。

    ✔ 不公平の解消

    同等の職務内容であるにもかかわらず、正社員であるか派遣社員であるかの違いによって「在宅勤務が可能なスタッフ」と「出社が必要なスタッフ」が混在していると、不公平感が生じやすくなり、モチベーションの低下といったリスクを招く可能性があります。派遣社員も在宅勤務を選択できるようにしておくことで、不公平感を未然に防ぐことができます。また、厚生労働省からも自社で直接雇用した社員と同様に、派遣社員にも在宅勤務を活用すべきとの通達が出ているので、積極的に対応しましょう。


    2020年、20~50代のオフィスワーカーにテレワークに関するアンケート調査をおこなったところ、約8割がテレワークにメリットを感じていました。調査結果はこちらからご覧ください。

    ✔ 労働力を確保しやすくなる

    育児・介護などの理由により柔軟な働き方を希望している、経験やスキルをもったスタッフに仕事を依頼することができます。また、通勤範囲内であっても諸般の理由により「なるべく通勤を避けたい」と考えているスタッフも業務を依頼できる対象となってきます。

    派遣社員に在宅勤務を依頼する場合に必要な対策

    続いて、派遣社員に在宅勤務を依頼する際に、「企業が講じるべき対策」について解説します。

    労働条件などの整備

    派遣社員と雇用契約を結んでいるのは「派遣元の企業」です。従って、在宅勤務での就業条件を派遣会社経由で派遣社員に明示し、就業可能か事前に確認を取る必要があります。

    労働環境の整備

    条件面の調整だけでなく、環境の整備も必要です。例えば、PCやタブレット端末などのIT機器、スマホ向けアプリなどのITツールの導入、インターネット環境の構築(モバイルルーターの貸与など)といった対策が必要です。

    指揮命令・管理などのルール整備や業務フローの改善対策

    在宅勤務で円滑に業務が遂行されるように、指揮命令や管理などのルール整備や業務フローの改善対策を進めることも大切です。特に注意したいポイントは、以下の3点です。

    1.  在宅勤務制度の導入により生じるフローの見直し(紙の書類のチェック方法、FAXの送受信、会社の外線電話の応答方法など)

    2.  コミュニケーション不足を防ぐ仕組みの導入(報連相の頻度を増やす、コミュニケーションツールを導入するなど)

    3.  勤怠管理の仕組みの整備(スマホアプリなどの、遠隔で勤怠管理できる仕組みの導入を検討するなど)

    これらの問題は、クラウドをはじめとしたITツールの導入により対応できる見込みが高いため、「どのような対策がとれるのか?」を含めてベストな方法を検証しておく必要があります。


    20~50代のオフィスワーカーにテレワークの影響で変化した業務を調査しました。調査結果はこちらからご覧ください。

    業務フローの洗い出し

    在宅勤務を導入する際は、在宅で行う業務だけでなく、業務全体を見直すことが大切です。というのも、全体を見直してみることで、非効率な業務・無駄な業務が見つかるケースが少なくないからです。業務フローの見直しは以下の手順で行います。

    ✔ 在宅勤務が可能か、どのくらい可能か、などの検証

    接客を伴う職種など、仕事の内容によっては「そもそも在宅での仕事が困難」というケースもあります。まずは、「在宅勤務が可能か否か」「可能な場合はどのレベルまで対応が可能か」についてチェックします。

    ✔ 在宅勤務になることにより、新たに発生する業務内容の確認

    新たに導入するITツールの選定や設定作業、マニュアルの作成など、特定の部署(スタッフ)に業務の負荷が集中してしまったり、在宅勤務を導入することで本来の業務が非効率になってしまったりしないように、新たに発生する業務内容や進め方を確認しておく必要があります。

    ✔ FAX、印鑑、紙の書類への対応

    FAXや捺印が必要な稟議書など、紙の書類を使って仕事を進めている企業であっても、在宅勤務導入の可否、導入する場合はどのような手段を用いるべきか、という観点から導入方法を検討していく必要があります。全面的な導入が難しい場合は業務を分割し、自宅でも作業可能な業務だけを在宅勤務にする、という選択肢も考えられます。

    セキュリティ対策

    在宅勤務では、情報や端末を社外に持ち出すことになるため、情報漏えいや不正傍受などのセキュリティ対策についても検証しておく必要があります。セキュリティ対策に優れたツールの導入、情報セキュリティに関する社内規則の作成、アカウント・パスワードの管理、スタッフへの情報セキュリティ教育などの対応が求められます。

    派遣社員の教育

    在宅勤務は対面と比較してコミュニケーション量の確保が難しく、分からないことがあっても、その場で口頭で解決とはいかないケースが多くなります。対策として、教育担当者が派遣社員の反応をこまめにチェックできる教育体制の構築が不可欠です。具体的にはチャットツールやWeb会議ツールの導入、リモート交流会の開催などが効果的です。

    就業中の派遣社員を在宅に切り替える場合と、就業開始時から在宅勤務を依頼する場合の留意点

    在宅勤務制度を導入する方法としては、「就業中の派遣社員を在宅に切り替える方法」と「就業開始時から在宅勤務を依頼する方法」の2種類が考えられます。続いては、それぞれの注意点について解説します。

    就業中の派遣社員を在宅に切り替える場合

    すでに就業している派遣社員を在宅勤務に切り替える場合は、業務内容について研修しなおす必要がなく、契約や環境整備、派遣元との調整だけでスムーズに在宅勤務を始められる、というメリットがあります。ただし、就業場所が変わってしまうため、派遣元の企業に理解を得たり、スタッフに対するフォロー体制を整えたりする必要があります。スタッフ本人は、当初から在宅勤務を希望していた訳ではないため、制度の理解に対しては細かな確認が必要です。

    就業開始時から在宅勤務を依頼する場合

    最近は、在宅勤務を想定した人材派遣も増えています。このとき、派遣社員は就業開始時から在宅勤務を想定しているため、在宅勤務関連の確認事項をスムーズに取ることができます。また、在宅勤務を前提とした派遣契約であるため、自社と派遣会社との間でもスムーズに契約を締結することが可能です。ただし、人間関係の構築、コミュニケーション不足、教育・研修をいかに実施するか、という点が課題になります。

    まとめ:必要な対策を講じて在宅派遣の実現を目指す

    新型コロナウイルス感染症拡大防止策を目的として、在宅勤務の派遣社員を活用する例が増えてきています。厚生労働省が派遣社員にも在宅勤務を活用するように通達していることもあり、「具体的にどのように在宅勤務を導入していくべきか」を自社・派遣社員・派遣会社でまとめることが求められています。そのために、派遣会社と既に結んでいる契約内容の調整や、業務フローの変更確認、勤務環境の整備など、追加の対応が必要になる可能性があるでしょう。

     
      

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    著者プロフィール

    マンパワーグループ株式会社

    世界75カ国・地域に2,200のオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。 リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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