企業サービス
マンパワーグループがお届けする「人材」に関する専門メディア
マンパワーグループがお届けする「人材」に関する専門メディア

メールマガジンの登録

本メルマガでは、人事・人材にまつわる情報のご提供、イベント/セミナー等のご案内をお届けいたします。
個人情報の取扱いについてご一読のうえご登録ください。
※同業者、個人の方のお申込はお断りさせていただく場合があります。

【新卒の離職率】Z世代の特徴を踏まえた対策5つ

掲載日2023年11月 7日

最終更新日2024年2月16日

【新卒の離職率】Z世代の特徴を踏まえた対策5つ

目次

「新卒社員の3割は3年以内に辞める」と一般的に言われていますが、それは旧態依然とした企業体質や組織文化が、未来を担う世代にマッチしていないからかもしれません。

新卒者の定着率を高め、事業の中核メンバーとなるよう育成することは、もはや自社の持続可能性への必須ステップであり、職場や組織文化を変革する好機でもあります。

本記事では新卒社員の離職率および離職の原因、離職を防ぐ対策について詳しく解説します。

入社3年以内の新卒社員の離職率は約37%

学生数の減少により新卒採用に苦戦する企業が増えている中、新卒社員の早期離職についても大きな注目が集まっています。

2020年学卒者の離職率

3年以内離職率
大卒 32.3%
短大卒 42.6%
高卒 37.0%

厚生労働省の学歴別就職後3年以内離職率の推移における、2020年の大卒者の数値を見ると、3年以内離職率は32.3%ですが、1年目10.6%、2年目で11.3%、3年目で10.4%と1年以内で1割超の新卒社員が離職しています

newgrad- turnover001.webp

参照:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します│厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00005.html

新卒社員の離職理由

内閣府の調査によると、新卒社員の離職理由は以下のとおりです。

仕事が自分に合わなかったため 43.4%
人間関係がよくなかったため 23.7%
労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため 23.4%
賃金がよくなかったため 20.7%
ノルマや責任が重すぎたため 19.1%

引用:平成30年版 子供・若者白書「特集 就労等に関する若者の意識」|内閣府 https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30honpen/s0_0.html

これらの理由は一見、新卒の個人的な不満や未熟さのように感じられるかもしれませんが、それら背後には彼らと企業間の大きな価値観のギャップが存在すると考えられます。

例えば、採用時に説明された内容と実際の勤務内容や待遇にギャップを感じる、あるいは彼らがこれまで経験してこなかった世代や考え方との違いに戸惑うなどの要因が考えられます。

「デジタルネイティブ」ゆえの特徴がある

新卒社員世代は、生まれた時からスマホやSNSが日常の一部として存在している「デジタルネイティブ」と言われる層です。多くの情報を容易に取得できる環境であり、さまざまな価値観に触れて育ってきました。このため、情報の信憑性や根拠を重要視し、その情報が明確でないと納得しづらい傾向があります。

新人が指導や指示に納得していないような場合、エビデンスや根拠が曖昧だった、説明不足だった、ということはよくあります。

その反面、デジタルが当たり前に生活に溶け込んでいるということで、雰囲気を察したり、感情をくみ取ったりということが苦手な側面があります。

また、彼らが成長してきた環境は、情報や価値観の多様性がある一方で、自らを守るために立場や権利をしっかりと主張することも求められてきました。

このような背景が、「自分に合わない」と敏感に感じ取ってしまい、離職を決意させる要因となっています。

新卒社員に「押し付ける」のではなく「理解する」

新卒社員の離職率を下げ、早期離職を防ぐために、まずは新卒社員を理解することが欠かせません。

新卒社員はいわゆるZ世代であり、1965-80年生まれを中心とするX世代や1980-95年生まれを中心とするY世代と「何に重きをおくのか」の価値観が異なります。ここでは新卒社員の想いや価値観について解説します。

新卒社員の求めるもの価値観を知る

新卒社員世代が仕事に対する価値観や重要視するポイントも変容してきました。

離職理由の調査などで取り上げられる職種、雇用形態や雇用条件、職場環境、また会社の規模や知名度以上に、「意義ある仕事なのか」「自分を活かせるか」を求めるようになってきているのです。

言い換えれば、職種、雇用形態や雇用条件、職場環境が適切であることは、もはや当たり前のことであり、その上で仕事の意義や自己実現の可能性を感じられるかが、採用から育成の段階でのキーポイントとなっています。

Z世代の特徴は「倫理性を重要視する」

Z世代の最大の特質は、前述した「デジタルネイティブ」と、もうひとつ「倫理性を重要視する」ことが挙げられます。

例えば、アメリカ警察官による黒人差別から派生した「Black lives matter」やハリウッドセレブが声を上げたセクシャルハラスメント「#Me too」という運動が起こったことは記憶に新しいのではないでしょうか。多くのZ世代が賛同し、デジタルの力も相まって急速に波及しました。

このような例は、少し極端に感じるかもしれませんが、Z世代の本質には、社会の問題や歪みなどを看過せずに、倫理性に拘る傾向が高くあります。それには、経済や文化などが一定の成熟を迎えた時代に生まれ育っているということに起因しています。

経済社会の安定性が長く保たれた状態が当然の前提になると、不安・差別・理不尽などの問題に目が向きやすくなるものです。

彼らにとっては、特定の属性が権限を持つ、年功序列で給与が上がっていくなどにも納得できない場合が往々にしてあります。能力や適性、貢献度ではなく、属性や年齢だけで評価されるとしたら、倫理的ではないということなのです。

見方を変えれば、能力や適正、貢献度を検証し認め評価すれば大いに力を発揮するということです。

離職理由から考える離職を防ぐ5つの対策

新卒社員の離職理由や考え、価値観を踏まえ、自社でできる対策について5つ紹介していきます。これらは新卒社員の離職率を下げるのみならず、既存社員の離職防止、パフォーマンス向上にも役立つため、ご活用ください。

採用段階からミスマッチ防止策を講じる

新卒社員のミスマッチを防ぐことは採用の段階から気を配る必要があります。

ミスマッチの原因は、主に以下の3つにわけることができます。

「労働時間・給与など雇用条件」
「社風・企業文化」
「仕事や求めるスキル」

これらを明確に伝えることは基本ですが、新卒社員が重視するポインを意識することが必要です。

例えば「意義ある仕事なのか」「自分を活かせるか」「仕事内容が自分に合うのか」が見えること、それらの仕事の先のキャリアパスをわかりやすく明示することが求められます。

また、自社の強みや良い面だけではなく、弱みや良くないと思われるネガティブな情報などを適切に開示することも重要です。

一例として、実際の月間残業時間や離職率、望むポジションに就くまでに必要な年数などリアルな情報を開示します。それらを踏まえた上で、「自分がいかにこの会社で成長できるか」が見えれば、職場や会社への信頼度が上がり、定着へとつながります。

リアルな情報開示は、「RJP(Realistic Job Preview)」として注目を集めています。詳しくは、「採用ミスマッチを防ぐRJPとは|メリットと活用される理由を解説」をご覧ください。

古いマネジメント手法から脱却する

新卒社員にとって、上司や先輩のような中間管理職の影響は計り知れず、彼らの管理能力によっては、キャリアの方向性が大きく変わることもあります。

中間管理職は、詳細把握や指導のために指示を細かくだすマイクロマネジメントに陥りがちです。しかし、これは新卒社員の強みを見過ごし、モチベーションの低下やコミュニケーションの歪み、ストレスフルな状態を招くことになりかねません。「マイクロマネジメント」は、旧態依然としたスタイルであり、早急な改善が必要です。

中間管理職が注意したいのは、自身の経験則へのこだわりやアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)による価値観の押し付けです。例えば、残業しない社員はやる気がない、社内イベントや飲み会の幹事は新卒社員がすべき、お茶出しは女性がするものなど、必ずしもそうではないことを当然だとするなどです。これまでの慣習に固執していると、新卒社員の才能や長所を見過ごすリスクがあり、機会損失につながります。

一方、年功序列制を見直した企業では、入社3年目の社員がマネジャー職に就任し、組織が活性化したという事例もあります。

Z世代のマネジメントについては、「Z世代の仕事における特徴とは?育成とマネジメントを解説」で詳しく解説しています。

すぐに相談できる環境を用意する

コミュニケーションの質の向上と充実は、早期離職を防ぐ効果があります。

一般的に新卒社員は、自ら上司や先輩に相談しにくいものです。月に一度、1on1を設ける、メンター制度を導入するなど相談できる環境を仕組み化することで、コミュニケーションが希薄にならないようにします。

相談窓口の設置は、新卒社員の抱えている悩みの把握や人柄を知るだけではなく、上司には言いづらい、どうしたら良いのか分からない、などの不安を解決できる場として機能します。

1on1のやり方やメリットについては、「1on1ミーティングとは│注意点と効果を高める3つのポイント」をお読みください。

「サービス残業」は論外。労働時間の管理を徹底する

今や、労働時間の管理は義務化されており、厚生労働省のガイドラインも設けられています。始業・就業の記録や勤怠管理システムの活用という実務面のみならず、サービス残業を含め時間外労働を曖昧にしないことが重要です。

長時間労働や過度な残業がある場合は、その理由とともに改善策や勤務体制や職場環境の見直し(例えば、シフト体制の変更やメンバーの増加・配置転換、業務フローなど)について具体的に取り組み、かつそれらを開示することが必要です。

関連記事:36協定をしていても違法な残業(時間外労働)になる4つのケース

多様な働き方を提供する

「1日8時間、必ず出社して勤務する」という常識は、コロナ禍をきっかけに一変しました。テレワーク、リモートワーク、サテライトオフィス、時短勤務、フレックス勤務、子どもを連れて出勤できるカンガルー出勤など働き方の選択肢を増やし、新卒社員に限らず、障がい者や高齢者、育児中、介護中など多くの人材が活躍できる環境が整っていることも企業の魅力となる時代です。

Z世代は、エビデンスや根拠を重要視する世代です。出社を必須とするのであれば、出社しないと成果がでない根拠をしっかり説明する必要があります。

また、働き方への価値観も変化しています。今や、プライベートの時間を削って長時間労働をすることは美徳ではありません。個人のプライベート時間の充実も大事にしていますし、仕事への拘束時間の量ではなく、効率化などによるアウトプットの質と量の強化の方を重要視する傾向にあります。

顔を合わせての積極的なコミュニケーションが必要なときには「コミュニケーション・ハブ」と位置づけたオフィスへの出社を原則とするものの、基本的には働く場所や時間は当人に委ねたことで、新卒社員の定着率が劇的に高まった事例もあります。

労働人口の減少をカバーするためには、これまで常識と思っていたことも、新しい目で見直す必要があります。これは、企業にとって新たな価値創造にもなるでしょう。

関連記事:テレワークマネジメントの課題と具体的な解決策

まとめ

新卒社員の離職率を下げ、早期離職を防ぐのみならず定着率を高めるには、単に彼らを育てる・支えるだけではなく、職場や組織文化を変革する視点を持ち、実践することです。

企業はそれぞれ異なる価値観と経験を持つ社員の集まりで成り立っており、互いに協力し成長することで事業が発展します。

今後の組織の中核を担う世代に力を発揮してもらうためにも、自社の状況を分析し、自社にとって何をすべきか、どのように対処すべきか検討してみましょう。

著者プロフィール

マンパワーグループ株式会社 RPO事業部

マンパワーグループ株式会社 RPO事業部

マンパワーグループの採用代行・コンサルティングサービスを専門にしている事業部。新卒採用・中途採用・パートアルバイト採用の事務代行やダイレクトリクルーティング、採用戦略、計画などのコンサルティングなど実績多数。リピート率90%を誇る高い品質でサービスを提供。

SNSでシェアする

  • ツイートする
  • facebookでシェアする
  • LINEで送る
  • LinkedInでシェア
  • はてなブックマーク

SNSでシェアする

  • ツイートする
  • facebookでシェアする
  • LINEで送る
  • LinkedInでシェア
  • はてなブックマーク