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キャリアパスの作成例 キャリアプランとの違い・失敗例も紹介

掲載日2021年4月13日

最終更新日2021年10月26日

目次

    不確実で常に変化の中にあるVUCA時代と言われる現代。個人が主体的・自律的にキャリアを形成することが求められていますが、企業がそれをアシストするために道筋を示すことも重要です。目指すべきゴールが明確にあると、多くの人がモチベーションを維持しやすくなるでしょう。

    今回は、その道筋=キャリアパスについて、分かりやすく紹介します。

    キャリアパスとは?

    キャリアパスとは、職歴を意味する「キャリア」と道筋を意味する「パス」を組み合わせた言葉です。一般的には、企業内で社員が目標とするポストや職務に就くために必要な業務経験やルートといった道筋が、キャリアパスです。また、その道筋を社員に対して明確に示したものを、キャリアパス制度と言います。

    企業がキャリアパスを制度として明確化することで、社員に目的意識を持たせ、モチベーションを高く保つ効果が期待できるため、導入する企業が増えています。

    キャリアパス制度を導入するメリットについては後ほど詳しく紹介します。先にキャリアパスとよく混同される「キャリアプラン」「キャリアデザイン」との違いを確認しておきましょう。

    キャリアパス・キャリアプラン・キャリアデザインの違い

    道筋を意味するパス、計画を意味するプラン、設計や創意工夫を意味するデザインと、どれも同じ意味合いのように感じますが、概念は次のように異なります。

    キャリアプラン

    キャリアプランとは個人が自身の職歴について、自発的に将来の目標や、その目標に向かうための計画を立てることを指します。キャリアパスのようにひとつの企業内での目標や道筋を示すものではなく、転職や独立も選択肢に入ってくる、より広い視点での目標や計画となる点が、一番の相違点です。

    キャリアデザイン

    キャリアデザインは、キャリアプランと同じく個人が自発的に将来の目標やそれへの計画を立てることです。ただし、キャリアプランは「職歴」の目標・計画を立てることですが、キャリアデザインは、職歴だけでなくプライベートも含めた「人生」そのものの目標・計画を立てることを意味します。

    企業がキャリアパス制度を導入するメリットと失敗例

    キャリアパス制度の活用は、人材流出の防止や人材確保につながります。しかし、導入の仕方を誤れば逆効果になる場合があります。

    キャリアパス制度のメリットと、そのメリットを最大化するために失敗例も紹介します。

    企業がキャリアパス制度を導入するメリット

    社員のモチベーション向上

    キャリアパスを明確に示すことで、社員は目標に向けて取り組むべき業務や将来像が具体化します。自分の将来像を頭に描けるため、業務遂行へのモチベーションアップと、人材流出の防止につながることが期待できます。

    採用活動において強みとなる

    自社のキャリアパス制度を公開することで、それを見た求職者が入社後に成長して活躍する自分をイメージしやすくなるため、入社意欲につながる可能性があります。また、キャリアパス制度を見て、自身がその企業に合っているかどうかの判断がしやすく、ミスマッチ防止にも役立ちます。

    自社の業績向上につながることが期待できる

    既存社員のモチベーションが向上し、採用のミスマッチを回避して意欲の高い人材の確保ができることで、結果的に業績アップにつながることが期待できます。

    企業におけるキャリアパス制度の失敗例

    社員の希望や適性を考慮しなかった

    社員の希望や適性を考慮せずに企業が一方的に設定したキャリアパスを提示したことで、業務へのモチベーションが低下してしまうといったケースがあります。
    最悪の場合、離職してしまう可能性もあります。

    事前にヒアリングを行い、社員自身が納得する最適なキャリアパスを提示することが大切です。

    キャリアパスをひとつしか用意していなかった

    現状の変化に伴い当初のキャリアパスが実情と乖離してしまう場合があります。
    例えば、「業績悪化や経営方針の転換など企業側の事情で、目標に設定していたポストが空いていない、あるいはなくなった」「社員自身の気持ちに変化が生じ、当初目標としていた職務への興味がなくなった」などのケースが考えられます。

    このような変化は、どの企業でも誰でも起こる可能性があるため、キャリアパスは複数用意することが理想的です。
    適宜適切なキャリアパスへの変更が可能となることで、予測できない変化に柔軟に対応でき、社員のモチベーション維持が可能となります。

    キャリアパス制度の導入手順例

    実際にキャリアパス制度を導入する際は、どのような手順で構築していけばよいでしょうか。
    一般的にキャリアパス制度を構築するには、人事評価制度の要素となる「等級制度」「評価制度」「給与制度」に加え、「研修制度」を作成する必要があります。

    例えば次のような手順で構築していくことになります。企業の状況によって適した手順は異なりますので、あくまでも一例として参考にしてください。

    ステップ1:等級制度を作成する

    各職種について、階層とその業務内容を明示し、各階層に求められる能力やスキル、資格などを明確にします。

    階層は部長、課長、主任などの役職で設定するのが一般的ですが、役職名のない段階や同じ役職でも、経験年数や取得資格などによって細かく設定していくのがよいでしょう。社員が比較的近い未来の自分をイメージすることができ、次のステップへのモチベーションが保ちやすくなります。

    ステップ2:研修制度を作成する

    社員がキャリアパスに即して次の階層に上がるための知識やスキルを身に付けることができる研修制度を整えます。職種や階層に応じて適切なタイミング、内容の研修を企画することが大切です。

    企業における研修には、実務を通して学ぶ「OJT」、一定期間、実務から離れてセミナーや勉強会などを開催する「Off-JT」、社員が自主的に学ぶために経済面での援助を行う「SDS」の主に3種類があります。それらを適宜組み合わせて、効果的な研修制度を作成します。

    ステップ3:評価制度を作成する

    キャリアパスの階層に応じて社員を評価するための、評価制度を整えます。

    企業における評価は一般的に、社員の能力やスキルなどで判断する「能力評価」、社員が出した成果で判断する「業績評価」、社員のやる気や勤務態度などから判断する「情意評価」の3種類があります。

    3種類の評価を元に具体的な評価項目を策定し、自社に合った評価基準を設定します。設定した基準により、社員が次の階層へ昇格できるかが決まることになりますので、すべての社員が納得できるような、公平で透明性のある評価基準が求められます。

    また、評価する手法としては、あらかじめ設定した目標への達成度を評価する「目標管理制度(MBO)」、上司だけでなく同僚や部下などさまざまな視点から評価する「360度評価」などがあります。こちらも同様に公平さが保てる手法を採用することが大切です。

    なお、仕事に必要な「知識」「技術・技能」「職務遂行能力」を、業種別、職種・職務別にまとめた「職業能力評価基準」を厚生労働省が提示しています。
    そちらも活用できますので、下記リンクよりご確認ください。

    職業能力評価基準の策定業種一覧| 厚生労働省 

    ステップ4.給与制度を作成する

    設定された階層に応じて、それぞれ賃金を設定します。階層が上位になるほど、求められる能力は高くなり、責任も伴います。そのため、階層に応じた給与の差をつけることが重要です。

    ただし、社員のモチベーションは、出世によって給与が上がってアップするというよりも、業務内容に見合わない給与への不満によってモチベーションが低下しやすい傾向にあるといわれます。
    「この給与ではやっていられない」といった不満がないような、給与制度の構築が求められます。

    多様なニーズに対応でき、公平性の高いキャリアパス制度の導入を

    キャリアパス制度の構築において重要なのは、いかに社員のモチベーションを維持し、自社の業績向上へつなげられるかということです。そのためには、社員の多様なニーズに配慮した、公平感のある制度にすることが大切です。ご紹介した内容を参考に、質の高いキャリアパス制度を構築してください。

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    著者プロフィール

    マンパワーグループ株式会社

    世界75カ国・地域に2,200のオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。 リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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