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ジョブ型雇用とは?メリット・デメリットをメンバーシップ型と比較

掲載日2020年12月21日

最終更新日2022年10月 4日

目次

    ジョブ型雇用が注目を集めています。社会や経済、それに伴う社員の働き方に対する考え方の変化など、さまざまな理由からジョブ型雇用を推進する企業が増えてきました。

    この記事では、ジョブ型雇用とは何か、日本従来の雇用制度であるメンバーシップ型との違いや、メリット・デメリット、導入手順などについて解説します。

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    ジョブ型雇用の導入前に整えておくべき6つの施策とは

    ジョブ型雇用には日本で慣例化してきた人事制度と整合性が取れない部分も多くあるため、十分な準備をせずにジョブ型雇用へ移行してしまうと、制度上の矛盾を起こして本来の効果が発揮できなくなる可能性があります。
    本資料では「ジョブ型雇用の導入前に整えるべき施策」を失敗例なども交えて解説しています。ジョブ型雇用の導入に向けた、"総点検用の一冊"としてご活用ください。

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    また、ジョブ型雇用に関するオンラインセミナーをアーカイブ配信しております。
    ご興味のある方はぜひご覧ください。
    セミナー:ジョブ型人事制度導入前後の施策とは

    ジョブ型雇用とは

    そもそもジョブ型雇用とは何なのか、従来型のメンバーシップ型雇用との違いを踏まえて解説します。

    「ジョブ型雇用」とは

    ジョブ型雇用とは、明確なジョブディスクリプション(職務記述書)のもとに雇用されるシステムです。業務内容や責任の範囲、必要なスキル以外にも勤務時間や勤務場所などを明確に定めた上で雇用契約を結びます。

    そのため、別部署への異動や転勤などは無く、昇格・降格も基本的にはありません。日本では新しいシステムと捉えられがちですが、世界ではスタンダードで古くからある雇用制度です。

    「ジョブ型雇用」と「メンバーシップ型雇用」との違い

    メンバーシップ型雇用とは、「仕事」に対して雇用されるのではなく、文字通り会社のメンバーになる雇用制度です。多くの企業で導入されている終身雇用や年功序列、企業別組合といったシステムに代表されるように、メンバーシップ型雇用は「日本型雇用」とも言われています。

    総合職として社員を採用し、企業側が適性や潜在能力を見込んで配置し、配置転換や転勤などを通して、企業活動に必要なスキルを備えた人材を育成します。

    ジョブ型雇用とメンバーシップ型の主な違いは以下の表の通りです。

    ジョブ型メンバーシップ型
    雇用の考え方 業務に対して人を配置 人に対して仕事を配置
    業務内容・役割 明確に定められている
    (専門的・限定的)
    明確ではない。組織が決定する
    (ジェネラリスト・総合的)
    人事権 異動・転勤・残業命令は原則できない 勤務地・配属先・ジョブローテーションの決定ができる
    給与・報酬 職務給
    (業務内容や役割による)
    職能給
    (年功序列や役割など総合的判断)
    流動性 業務の消滅・パフォーマンス結果など解雇が比較的容易 解雇は厳しく制限
    組合 産業別労働組合 企業別労働組合

    ジョブ型雇用の現状(2020年)

    近年、日本ではジョブ型雇用への注目が急速に高まっています。その大きなきっかけとなったのは、2020年1月に経団連の提言において、ジョブ型雇用の導入が推奨されたことです。そして、一部大手企業がジョブ型雇用の導入を表明しています。ジョブ型雇用の導入は、企業にとって制度変更を伴う大きな転換でもあるため、ジョブ型雇用の是非について、さまざまな場で議論されています。

    マンパワーグループが人事担当者に対して実施したアンケート調査では、全体の約2割がジョブ型雇用を導入(試験導入も含む)しており、「導入に関する起案があり、検討している」「導入の起案を考えている」といった検討中を含めると、全体の半数近く(45.7%)がジョブ型雇用の導入を推進している状況です。

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    ジョブ型雇用が注目されている背景

    ジョブ型雇用の注目が高まった背景として、大きく分けて以下の3つの点が挙げられます。

    終身雇用制度の限界

    グローバル化による環境の変化が原因で、従来の終身雇用制度が時代にそぐわなくなってきました。

    終身雇用制度には「自社の理念に合った人材を長期的に育成する」という効果はあったものの、流動的な人材活用や年功序列による賃金体系では「能力が高い人」に対しての対価が見合わず、良い人材を獲得しにくい面があるためです。

    また、メンバーシップ型雇用は必要な部門・タイミングに人材を集中させることが難しいため、海外企業との競争において不利なポジションに置かれるケースが珍しくありませんでした。

    働き方の変化

    かつて、社員はゼネラリストとして会社にコミットする働き方を求められましたが、現在は多様な働き方が増えてきました。

    その一つが、社員は会社に労働力を提供するのではなく、職務に対して労働力を提供するという働き方です。ジョブ型雇用を社員個人のレベルでみた場合、本来の業務の範囲外である業務を担当する機会が減り、与えられた職務に労働力を集中するという傾向がみられます。

    このような働き方は、長時間労働の廃止、ワーク・ライフ・バランスを訴える「働き方改革」と相性が良いという側面もあります。

    本格的なダイバーシティの導入

    企業のダイバーシティへの取り組みが本格的になってきました。少子高齢化による労働力不足や変化が激しい時代で勝ち抜くために多様な価値観をもった人材が必要になっていることが背景に考えられます。

    育児や介護をしながら働く人やジョブ型雇用が主流である外国人労働者の受け入れを考えた場合、主流であるメンバーシップ型よりもジョブ型の方がマッチするケースもあります。

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    ジョブ型雇用のメリット・デメリット

    ジョブ型雇用のメリットとデメリットをそれぞれ4つ紹介します。

    ジョブ型雇用のメリット

    即戦力の採用につなげられる

    スキルを条件として採用活動を行えば、特定の職務にマッチした・専門分野に強い人材を採用できます。ジョブ型雇用は職務の能力に応じて報酬を支払うシステムであるため、専門分野のスペシャリストの雇用・育成に適しているためです。つまり、「プロジェクトを実行するために必要なスキル」を選考の段階で要件として設定できるということです。

    また、年功序列では難しい職務に応じた給与を設定できるため、採用における競争力も高めることができます。

    専門性のある人材を育成できる

    メンバーシップ型雇用とは異なり、一般的にジョブ型雇用の社員は職務にコミットするため、職務以外の業務負担が軽くなる傾向があります。その分、職務に集中できるため、専門性を高めることができる環境が整います。

    また、ジョブ型雇用では、年齢や勤続年数ではなく、仕事の遂行能力に応じて人事評価を行います。「スキルの高さ」が評価に直結するということもあり、社員が自律的に業務に携わるようになります。

    生産性の向上・業務効率化へ

    職務範囲や責任が明確になることで、不要な業務が浮き彫りになりやすく、業務が効率化されます。

    また、専門的技術をもった人材の採用や社員の専門性が高まる環境であるため、業務品質が上がり、生産性向上につながりやすくなります。現在は、人材の獲得が厳しい状況が続いているため、専門的なスキル・経験を保有する人材の活用は競争力を高めることにもつながります。

    リモートワークの勤務制度にマッチしている

    リモートワークにおける部下の管理に課題を抱える企業の場合、成果主義の傾向が強いジョブ型雇用制度を導入することで、部下の働き方を対面で見られない状況下であっても、公平な評価制度を整えやすくなります。

    また、管理面においても業務遂行状況の確認など管理範囲が明確なため、マネジメントの工数も削減できます。

    ジョブ型雇用のデメリット

    企業側の都合で転勤や配置転換、柔軟な職務の追加が難しくなる

    メンバーシップ型の総合職とは異なり、ジョブ型雇用の場合、原則として「あらかじめ指定した職務以外への転勤や配置転換ができない」という制限があります。

    また、基本的にはジョブディスクリプションに記載された業務でなければ、対応する必要がありません。雑務や繁閑期限定の業務など引き受け手のいない業務が発生する場合があります。

    ゼネラリストとしてのスキルを育成するのが難しい

    ジョブ型雇用で採用した人材は、ゼネラリストとしてのスキル育成が困難になります。多角的・全社横断的な視点が求められる経営判断や部門の統括管理を行う幹部候補者には、期間限定のジョブローテーションを実施するなどのフォロー施策を打つ必要があります。

    人材が見つけにくい側面も

    ジョブ型雇用が主流である欧米は、人材の流動性が高く、専門性のある人材が多くいるため採用は比較的容易です。しかし、メンバーシップ型が主流である日本においては、職務によっては人材の獲得が困難なケースもでてきます。

    また、「プロジェクトごとの人材採用が可能である半面、プロジェクトが短期で完結してしまうと人材を活用する場を提供しづらいケースがある」、「ジョブ型雇用の場合、プロジェクトにコミットする雇用形態なので、他社が魅力的な求人募集をかけた際に人材を引き抜かれてしまう」などのリスクがあるため、ジョブ型雇用では人材の入れ替わりが頻繁になる恐れがあります。

    帰属意識が低くなりやすい、チームワークが醸成されにくい

    ジョブ型雇用のスタッフは、自身に与えられたミッションを遂行することが社員の役割となるため、会社内やチーム内で相互に助け合うという意識やエンゲージメントが高まりにくく、チームワークの醸成が難しくなるケースがあります。

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    ジョブ型雇用の導入方法

    ジョブ型雇用を導入して正社員を採用する場合の導入手順と、導入するにあたって企業に求められる制度改革について解説します。

    ジョブ型雇用の導入手順

    1. 職務内容の定義

    ジョブ型雇用を行う職務の内容を具体的に定義します。職務名称・目的・職務内容・責任・職務の範囲などを定義します。現在ある職務であれば、担当社員と面接を行うなどして、認識の違いが起きないようしましょう。

    2. ジョブディスクリプションの作成

    職務が明確になったら、ジョブディスクリプションを作成します。ジョブディスクリプションは、職務と職務要件から構成されます。職務要件とは、職務の遂行に必要なスキル、経験、知識、ヒューマンスキルなどのことを指します。

    関連記事

    ジョブディスクリプションについては、ジョブディスクリプション(職務記述書)とは?記載例などを紹介で詳しく解説していますのでご覧ください。

    3. 給与の設定

    ジョブ型雇用では、年功序列の給与体系ではなく、成果に見合った給与体系であることが重要です。職種や役職、責任範囲などを鑑みながら設定します。
    また、給与額を設定する際は、市場価値に見合った報酬であることも意識しなければなりません。雇用条件が他社より劣っていると、条件の良い企業に転職されてしまうリスクが高くなります。

    4. 評価制度の決定

    今まで勤続年数が長いほど賃金水準が高くなる年功序列で評価を行ってきた企業は制度を見直す必要があります。なぜなら、ジョブ型雇用は職務の能力に応じて報酬を支払うシステムだからです。ジョブ型雇用で採用した社員がスキルを発揮しやすく、スキルアップしていけるよう、成果に対して定量的に細かく基準を設定しましょう。

    5.ジョブ型雇用導入の社内周知

    ジョブ型雇用制度を導入する際は、既存の社員に対しても制度の説明が必要です。「ジョブ型雇用の社員」と「既存の正社員」の間で不公平感が生じないように、ジョブ型雇用導入の意図や雇用条件について丁寧に説明することが大切です。

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    まとめ:魅力の多いジョブ型雇用制度、導入は慎重かつ丁寧に

    ジョブ型雇用制度は、年功序列や勤続年数に比例した評価制度ではなく、担当する職務や遂行状況に対する評価制度をベースにしているため、従来のメンバーシップ型雇用と比べて技能や知識の高い人材を採用しやすくなります。さらに、テレワークや裁量労働・フレックスタイム制度といった柔軟な働き方とも親和性が高いため、導入を進める企業が増加しています。

    近年、注目を集めている雇用制度の1つではありますが、ジョブ型雇用制度を導入するには「評価の透明性や正当性」を担保する必要があるため、慎重かつ丁寧に取り組みを進めていかなければなりません。

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    著者プロフィール

    マンパワーグループ株式会社

    世界75カ国・地域に2,200のオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。 リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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