
目次
人材派遣を依頼する際、「望んでいるスキルとは違った」「なかなか紹介がない」「派遣社員がすぐに辞めてしまった」といったリスクを減らすためのポイントがあります。
この記事では、依頼のポイントと注意点、希望する人材を早く紹介してもらうコツについて詳しく解説します。
派遣社員に頼みたい業務内容や就業条件が決定したら、派遣会社に依頼します。この段階では費用は発生しません。
前述した伝えるべき事項と同時に、見積もりを依頼するようにしましょう。また最近では、オンラインでのMTG以外にも職場見学などもオンラインで実施できる派遣会社も増えています。希望がある場合は、あらかじめ伝えておくとスムーズです。
フォームやメールで問い合わせると、派遣会社から詳細についての確認連絡が電話かメールで入ります。在宅勤務中や依頼を他の社員に知られたくない場合、フォームに「メールでのやり取り希望」と記載しておくと安心です。
【例文】派遣会社への紹介依頼メールのテンプレ
どの派遣会社もオンラインフォームを設置していますが、担当者の連絡先を知っていて直接依頼したい場合の例文をご紹介します。
前述した派遣会社に伝えるべき事項を全てフォームに書く必要はありません。概要だけを記入し、派遣会社から連絡があった際に詳細を伝える流れでも問題ありません。
○○○株式会社
〇〇様
お世話になっております。
〇〇株式会社○○です。
派遣社員の募集を行いたく、以下のような条件でお願いしたいと考えています。
こちらの見積もりをいただけますでしょうか。
<条件>
以上、よろしくお願いいたします。
派遣オーダーシート
派遣を依頼する際に必要な情報を網羅しているオーダーシートです。業務例もあり、現場担当者にそのまま渡して入力してもらうことが可能です。
また、Excelファイルなので自社の都合に合わせたカスタマイズが簡単に行えます。
派遣会社が条件に応じて人選・マッチングを行い、登録している派遣社員へ仕事の紹介を開始します。候補者があがったら、職歴やスキルが記載されているスキルシートが派遣会社から送られてきます。
派遣社員が希望する場合、事前に訪問もしくはオンラインで職場見学を行います。
就業する派遣社員が決定したら、派遣社員名や契約期間などの契約条件を記載した「派遣先への通知書」を派遣会社が発行します。
派遣社員がスムーズに就業開始出来るように準備を整えましょう。関係者への周知やアカウント発行、業務に必要な備品の手配など基本的な流れは直接雇用の従業員と変わりません。
派遣社員の受け入れについては、「派遣社員を受け入れるときに知っておきたい注意点」で詳しく解説しています。
人材派遣を依頼する場合、以下の項目を事前にまとめておくとスムーズです。
業務 | 業務内容 |
業務で利用するツール | |
勤務条件 | 希望開始日 |
勤務地 | |
派遣期間 | |
休憩時間 | |
休日 | |
残業時間 | |
人材要件 | 募集人数 |
経験 | |
必須スキル | |
OAスキル | |
資格 |
以下、補足します。
ひと言で「一般事務」や「経理業務」、「総務事務」といっても、就業する会社によって業務内容は異なります。「経理業務」であれば会社によって売掛金管理に特化して業務を遂行する場合もあれば、日々の伝票起票から月次決算まで幅広く対応する場合もあります。
そのため、より具体的な業務説明が必要です。一日や月の業務の流れや就業するチームメンバーの役割を開示するのも、マッチングの精度をあげるのに役立ちます。
派遣社員は時間給制の給与が一般的です。そのため、収入に直結する勤務時間や残業時間、休日出勤の有無などの就業条件はしっかり伝え、ミスマッチを起こさないようにしなくてはいけません。自社カレンダーがあれば、担当者に渡しておくのもよいでしょう。
人材要件には、優先順位を付けるようにしておくと、適切な人材が早く見つかります。
必須(マスト):業務上必ず必要となるスキル・経験
尚可(ベター):備えていれば助かるスキル・経験
必要以上に高いスキルを求めすぎてしまうと登録者がいなかったり、派遣料金が高額になることがあります。また、ほんのスキルと業務内容に乖離が起き、早期退職のリスクにもなります。
一例
Excel上級と募集しつつ、実際に使うのは簡単な関数のみ
以下の項目は、派遣会社からヒアリングされることです。事前に伝えておいてもよいですし、連絡がきてからの回答でも大丈夫です。
細かいと感じるかもしれませんが、より適した人材を紹介する、紹介した人材が定着することを見越しての質問になります。
部門情報 | 部署人数 |
男女比 | |
平均年齢 | |
働いている派遣社員数 | |
雰囲気 | |
福利厚生 | 制服の貸与 |
更衣室 | |
ロッカー | |
社食・カフェテリア | |
医務室 | |
その他福利厚生 | |
その他 | 募集背景 |
引き継ぎの有無 | |
一緒に働く人について | |
求めるパーソナリティ |
少し補足します。
職場環境は派遣社員に限らず労働者にとって重要なポイントです。制服の有無や服装の条件、社食や休憩室など利用可能なオフィス内施設の情報なども伝えましょう。自社従業員が利用することができる施設は、派遣社員も同じように利用できるようにすることを派遣法では定めています。
また、年齢層や男女比、雰囲気などを知りたいと思う派遣社員は多いため、できる限り回答しておきましょう。
引き継ぎはあるのか、どのような背景で募集したのかを事前に伝えることで、トラブルの防止につながります。
一例
派遣料金は時間単価で設定するのが一般的です。
派遣会社によって違いはありますが、派遣料金は派遣社員の給与と社会保険料、有給休暇取得分給与で全体の約80%を占めます。つまり、市況と大きく密接しています。
派遣会社に提示する派遣料金が、希望するスキルや就業条件に対して低ければ、派遣会社は条件に見合った派遣社員を選定することができません。希望する条件に対して、派遣料金が適切なのか派遣会社に確認しましょう。
派遣料金に影響する要素は以下の通りです。
ベースの職種でも多く変わってきます。IT系や金融系などの専門的な職種はベースが高い傾向にあります。
特殊な専門資格やスキル、業務経験を必須条件とした場合、派遣社員の時間給を高く設定する必要があるので、派遣料金も高くなる傾向があります。例えば、同じ業務であっても「英語必須」となると時給が数百円単位で変わることも珍しくありません。
「就業場所が不便な場所にある」「夜勤勤務がある」など直接雇用の募集でも採用が苦戦する場合には、派遣料金が高くなる傾向があります。
転職などと同様に給与は地域によって変動してきます。同じ東京であっても、23区内とそれ以外では相場が変わることもでてきます。
派遣料金については、「人材派遣の料金・費用の内訳とは?時給相場に影響する項目を解説」で詳しく解説しています。
創業55年以上の歴史 マンパワーグループの人材派遣サービス
マンパワーグループは、日本で最初の人材派遣会社です。全国74万人以上の登録者から最適な人材を派遣します。
▽人材派遣サービス詳細
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<マンパワーグループの特徴>
・日本全国に153支店を展開
・業界平均を上回る高いリクルーティング力
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人材派遣の利用を検討されている方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。
派遣社員に来てもらいたい時期というのは、だいたい決まっているかと思います。必要な時に必要な人材にきてもらうためのポイントをご紹介します。
派遣会社には職種やエリアなど、得意とする分野があります。大手派遣会社でもすべて分野に強いわけではありません。求める条件が得意そうな派遣会社を探す、複数の派遣会社に依頼することで求める人材が早く見つかる可能性が高まります。
もし、派遣会社の特徴がわからないようであれば、依頼したときに候補者がいつ頃でるかを確認しておきましょう。
派遣料金は、派遣社員の時給にダイレクトに直結してきます。賃金の相場は市況の影響を受けるため、適切に設定することが大切です。予算もあると思いますが、適切な料金が設定できないと紹介がない、希望を変更しなければいけない事態になりかねません。
派遣会社は、希望した人材を紹介するだけでなく、就業後の定着も考慮して人選を行います。派遣社員からも細かな質問を受けることもあり、確認のための連絡が入ります。
そのため、「え、こんなに細かく聞かれるの?」と思うこともあるでしょう。就業後の定着やミスマッチを防ぐ意味もあるため、なるべく詳しい情報を伝えておくことが望ましいです。
また、職場見学の予定などスケジュールなども事前に相談しておくとスムーズです。
欠員や増員の予定がわかっているなら、早めに依頼しておくことをおすすめします。派遣業界にも人手不足の波がきています。条件によっては、なかなか候補者がでない、といったことも起きてしまいますので、早めに依頼しておくとよいでしょう。
関連記事:人材獲得難は派遣にも?優秀なスタッフに就業してもらうには
人材派遣を利用する場合に知っておきたい注意点を5つお伝えします。
派遣法では、派遣禁止業務というのを定めています。具体的には以下の通りです。
一部例外事項はあるものの、人材派遣は原則禁止です。
詳しくは「派遣禁止業務とは?人材派遣を利用する企業が知っておくべきこと」をご覧ください。
単発などの派遣期間が30日以下の日雇い派遣や週20時間以下の業務は、原則として派遣することができません。
ただし、例外となる人と業務があり、これに該当する場合に限り日雇い派遣を依頼することができます。
関連記事:日雇い派遣は原則禁止|例外の条件と単発バイトとの違いとは
派遣法により、派遣先企業は直接、派遣社員を選ぶことができません。これは、派遣先企業と派遣社員間に直接の雇用関係がないためです。
しかし、派遣先企業は求める人材の特性や能力についてのリクエストすることができます。それに基づき、派遣会社が適切な派遣社員を選びます。
関連記事:派遣社員の特定行為は禁止!指導例や例外をわかりやすく解説
派遣社員を受け入れることができる期間は、原則3年までです。ややこしいですが、これには2種類あります。
これは、派遣社員個人に対する制限です。派遣先の同じ部署で働くことができるのは、3年までとなり延長はできません。ただし、派遣先に無期雇用されている派遣社員であれば、3年を超えて就業することができます。
個人の制限とは別に、派遣先の事業所に課せられる期間制限もあります。同一の事業所で派遣社員を受け入れることができる期間は、原則3年までです。
ただし、意見聴取を行うことで延長することができます。
期間制限の詳細については、「派遣の抵触日とは?「事業所抵触日」と「個人抵触日」の違いを解説」をご覧ください。
派遣社員を自社のクライアントに派遣することは、二重派遣とされ派遣法で禁止されています。派遣先への罰則もあるため、十分に注意ください。
ただし、クライアント先での委託業務に従事させる(指揮するのは自社社員)であれば、問題ありません。
関連記事:二重派遣とは|基本知識と派遣先の罰則をわかりやすく解説
マンパワーグループでは、派遣先企業のニーズにあわせて様々な派遣サービスを提供しております。
全国47都道府県を144の営業拠点でカバーしています。「オフィスワーク全般」「営業・販売」「IT系」「軽作業」など様々な職種に対応しており、必要な時に必要な人材を提供することができます。
派遣期間を通じて、人材と企業の相性を見極めてから派遣先企業で本採用出来る、人材派遣と人材紹介のメリットを活かした仕組みです。採用後のミスマッチに課題を感じている企業向けのサービスです。
マンパワーグループで直接雇用した、吸収力のある若手人材を派遣します。労働関連法の期間制限を受けない派遣サービスのため、高い安定性があります。
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インフラエンジニアを志望する若年層を育成した上で、派遣先企業に派遣します。
独立系フリーランスや上級職経験者が派遣社員として登録しており、高度な専門職務の代行や新規事業の立ち上げなどの業務に「手と人を動かせる」プロフェッショナルを派遣します。
【まとめ資料】派遣の仕組みと気を付けたいポイントが1冊に
派遣先企業のニーズに応じて、様々な派遣サービスがあるので、自社のニーズに応じて適切な派遣会社を探してください。そして自社のニーズを派遣会社に明確に伝え、良好な連携を図ることで、適切な派遣社員が就業する可能性が高まります。
また、業務内容や職場環境などに関する多くの情報があることで、安心して派遣社員はその派遣先企業で就業しようと思います。初めてのヒアリングでは「なぜそんな細かい事を聞くの?」と疑問に思われるかもしれませんが、派遣会社に可能な限り事前に情報を開示しておくことが重要です。ただ初めて派遣を依頼する際は、どこまで業務を依頼していいのかなど、依頼する派遣先企業にもわからないことが多いと思いますので、まずは派遣会社にご相談ください。
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