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採用担当者に求められる資質 採用トレンドや手法も解説

掲載日2021年9月21日

最終更新日2023年3月29日

採用担当者に求められる資質 採用トレンドや手法も解説

目次

優秀な人材をいかに採用するかは、企業活動の根幹にかかわる重要なテーマです。
昨今の採用難の環境から、さらにその重要度は増しています。そんな採用活動を進める採用担当者には、どのような資質や能力が求められているのでしょうか。

この記事では、今の時代の採用担当者に求められている資質やスキル、採用手法やトレンドについて解説します。

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そもそも採用担当者とは?

採用活動とは、自社に必要な人材を社外に求め、入社してもらうまでの一連の業務をいいます。
この実務を主に担うのが採用担当者です。一言で採用活動と言っても、選考を含めた応募者とのさまざまなかかわりや、活動を進めるための各種社内調整など、業務内容は多岐に渡ります。

この採用活動の中心を担う採用担当者は、会社全体の事業推進にかかわる重要な役割と言えます。

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採用担当者に求められる資質・スキル

採用担当者の業務は非常に幅広いですが、ここでは採用担当者に求められる資質・スキルにはどんなものがあるかを見ていきましょう。

コミュニケーション力

採用担当者に求められる資質として、最も重要なのはコミュニケーション力です。
採用活動において、コミュニケーションを取らなければならない相手はさまざまです。

応募者とのやり取りは面接だけでなく、会社説明などのプレゼンテーション、質問への回答、スケジュール調整や事務連絡、さらに内定後の入社に向けた交渉や説得などさまざまな場面があります。また、経営層や管理職への面接官依頼や日程調整、リクルーターをはじめとした若手社員への支援依頼なども必要ですが、これらをスムーズに進めるには、日頃からの情報共有とコミュニケーションが欠かせません。

採用活動の進め方によっては、社内だけでなく求人広告会社や人材紹介会社など社外とのコミュニケーションも発生することがあります。このような場では自社が求めている人材要件などの情報を正確にわかりやすく伝えなければなりません。

さまざまな人と連携しながら効果的な採用業務を進めるには、高度な「コミュニケーション力」は必須と言えます。

調整力

採用活動では、必要に応じて社内外の関係先から協力を得なければなりません。そのため、多くの関係先を巻き込んで円滑に活動を進める上で調整力は重要なスキルです。

応募者をはじめ、社内のリクルーターや面接官、社外の求人会社や学校関係、その他各方面との事務連絡や調整業務は数多く発生しますが、それらの関係者と細かく連絡を取りながらさまざまな調整を並行して進めていく力が求められます。多くの関係先と協力しながら、事務処理を含めて業務を進めていく調整力は、採用担当者に求められる重要な能力と言えます。

変化への対応力

昨今は少子高齢化による労働人口減少などの環境変化で、企業にとっては採用難の時代と言えます。採用活動が計画通りに進むことのほうが珍しく、想定外の状況に陥ることも少なくありません。

このような環境下で、採用担当者は業務の中で起こるさまざまな状況変化に、柔軟に対応していくことが求められます。これまでの経験や価値観にとらわれず、新しい採用手法を取り入れていくことも必要です。

これからの時代の採用担当者は、採用に関するさまざまなトレンドの把握と情報収集を行い、その情報を活用しながら、状況にあわせた「変化への対応力」をもつことが必要です。過去の経験だけではこれからの採用活動に対応できないことを理解しておきましょう。

人当たりの良さ

求人応募者にとって、会社の中で最も多く接する相手は採用担当者です。基本的に採用担当者は、応募者が最初に出会う社員であり、担当者の印象はそのまま会社全体の印象につながります。特に採用担当者の人当たりが良いと、応募者に好印象をもってもらいやすく、コミュニケーションが円滑に進み、信頼関係を作っていく上で良い影響を及ぼします。

応募者以外に社外の関係者からも、採用担当者は会社を代表する立場として見られます。そのため、誰にでも親しみを持って接することができる「人当たりの良さ」は、採用担当者に求められる資質と言えます。

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採用担当者の業務に役立つ資格

採用担当者が業務を進める上で、以下のような資格は役に立つ場面があります。必要に応じて資格を取得すると良いでしょう。

キャリアコンサルタント

職業選択や業務に必要な知識、スキル習得など、個人のキャリアプラン実現を支援する国家資格です。採用活動の中では応募者のキャリアを総合的な視点で見ることに活用できます。

産業カウンセラー

働く人が抱えるメンタル面の問題解決を支援する専門職のための民間資格です。採用活動の中では、面接をはじめとした応募者とのコミュニケーションなどで、資格学習で得られるスキルを活用できます。

採用コンサルタント資格

採用業務の基礎を学ぶ民間資格です。採用業務のフローごとに基礎的な知識を学ぶことができ、その知識を採用活動全般に活かすことができます。

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採用担当者の仕事内容

採用担当者の仕事は、一般的には採用計画から入社後のフォローまで、一連の採用活動における実務です。具体的な範囲は新卒採用と中途採用で区別したり、職種によって現場に任せたり、企業ごとに差はあるでしょう。

しかし、全体のプロセスに大きな違いはなく、各プロセスでの仕事内容はほぼ共通しています。ここでは採用担当者の仕事内容を順番に紹介します。

採用計画を立てる

自社の経営戦略や事業計画などに基づいた「採用計画」を立案します。網羅する内容には、採用人数や配属部署、実施スケジュール、活動予算などがあります。


採用活動を進めるにあたっては、どんな人材を採用するのかという「人材要件」の設定が必須です。自社の人員状況や関係部署へのヒアリングなどをもとに、必要な人材要件を明確化していきます。採用活動では社内各所からの協力が不可欠になりますので、活動体制もここで検討、確認しておきましょう。

採用手法の検討

採用計画に基づいて、具体的な採用手法の検討を行います。求人情報を掲載する媒体や利用するサービスなどを選定し、各媒体やサービス提供先との調整を行います。また、掲載する求人情報の記事作成や、各所に提出する求人票の作成を行います。

書類選考・面接

事前に選考基準を定め、書類選考を実施します。書類選考を実施しない場合もあります。書類選考後には応募者と面接官双方のスケジュールを調整し、面接を行います。一次、二次、役員など面接官の構成を変えながら、一般的には1~3回程度実施します。

応募者には面接の都度、合否の連絡を行います。一般的には不採用の場合と最終的な内定通知は書面で、それ以外はメールや電話などで連絡することもあります。事務的な手間を省くため、不採用通知をしないという会社がありますが、やはり礼を欠いた行為であり、すべての応募者に誠実に接する姿勢は、企業として必要なことでしょう。中途採用の場合は、内定者と給与をはじめとした入社条件のすりあわせを行います。

内定者のフォロー

採用内定後は、入社に向けた事務手続きをはじめ、社内での受け入れ準備を進めます。実際に入社するまでに期間が空く場合がありますが、応募者の不安をなくして入社意欲を持続させるために、採用担当者は定期的に連絡を取るなどのフォローが必要です。

社員と懇親の機会を作ったり、社内イベントなどがあれば招待したりしても良いでしょう。この内定から入社までの期間は、常に内定者との接点を持ち続けることが大切です。

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おさえておくべき採用手法

どのような人材を採用したいかによって、採用手法も変わります。ここでは、採用担当者がおさえておくべき採用手法について解説していきます。

新卒採用

現状で新卒採用を行う企業のほとんどは、翌年4月入社の一括採用に向けて活動しています。主に新卒向けの求人サイトの利用と、一部では学校経由や縁故関係を通じた採用を行っています。

基本的には職務経験がない人材のポテンシャル採用となるため、選考時の資質の見極めが重要です。入社後の教育体制の準備も必須になります。多くの企業が同じ時期に活動することから、計画的で効率的、さらに採用状況に応じた柔軟な対応が必要です。

大卒者の約3割が就職後3年以内に離職すると言われ、採用担当者は入社後も定着に向けた継続的な取り組みが求められます。

中途採用

中途採用は、会社の人材状況に応じて時期を問わずに実施されます。その採用方法として、近年では求人サイトへの情報掲載が中心です。かつては多かった紙の求人媒体の多くがウェブに置き換わりましたが、地域や職種を限定した求人では今でも利用されることがあります。

情報掲載にあたって、最近は募集要項や企業概要など一般的な求人情報だけでなく、自社の強みや社風、仕事のやりがいといった情報も掲載できるものが多くなっています。この内容は他社との差別化において重要なポイントであり、工夫次第でさまざまな自社アピールが可能です。掲載内容は十分に検討するようにしましょう。

自社ホームページへの採用情報の掲載は、多くの企業で行われていますが、古い情報がそのまま掲載されていることがあります。情報の修正・更新・削除はしっかり行っておきましょう。

アルバイト・パート採用

アルバイト・パートの採用について、その手法は中途採用の場合とほぼ変わりはありません。

以前は時給や勤務地など、基本的な労働条件で企業を選ぶ人が多かったですが、最近は俗にいう「ブラックバイト」への懸念から、これにプラスして職場の雰囲気や人間関係、社風といったことも重視されています。面接時の丁寧な対応はもちろん、日頃からより良い職場環境づくりに取り組むことが重要です。

リファラル採用

リファラル採用は、社員をはじめとした自社の関係者が、知人・友人を紹介して採用につなげるもので、ここ最近では注目されている採用手法です。社員の紹介であるため人材要件に合致しやすく、応募者の辞退率も低いことから、望ましい人材を効率的に採用できる手法とされます。

紹介しやすくなる制度の工夫や人材要件の共有、紹介者の人間関係への配慮などが必要です。

ダイレクトリクルーティング

企業がデータベース検索などで自社の要件に合う人材を見つけ出し、人材に直接アプローチする採用手法です。転職サイトのスカウト機能の利用や、SNSのメッセージ機能などを利用して人材に直接アプローチをします。自社の進め方に合った媒体や手法を選ぶことが大切です。

ソーシャルリクルーティング

SNSを活用した採用手法です。ダイレクトメッセージでの直接のアプローチとあわせて、必ずしも転職とは関係しない社内情報の発信によって企業理解やイメージアップを図り、応募者や将来的な転職希望者にアピールすることで採用につなげます。

人材紹介

人材紹介会社の登録者から、自社が求めている要件に合致する人材を紹介してもらうサービスです。自社の公募では採用が難しい高スキル人材や、ヘッドハンティングなどを活用すれば転職市場で活動していない潜在的な転職希望者を紹介してもらえるメリットがあります。費用は成功報酬であることがほとんどで、応募者とのやり取りは紹介会社に代行してもらえるため、会社側の手間を抑えることができます。

人材派遣

直接雇用ではありませんが、人材不足を解消する方法としては、派遣会社が雇用している人材を企業に派遣する人材派遣の活用も有効です。業務内容や労働時間ほか要件が合えば、人材をスピーディーに業務に携わらせることができます。

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採用で気を付けなければならない4つのポイント

採用活動を進めていく上で、注意するポイントは主に以下の4つがあります。

応募者が集まらない

採用活動の中で最も多く挙げられる課題は、「応募が集まらないこと」です。

この原因として考えられるのは、自社の条件と比較して人材要件が高望みになっているか、そもそも要件に達する人材の絶対数が少ないかのどちらかで、いずれにしても当初設定した人材要件の見直しが必要になります。前者では人材要件の中での基準の見直し、後者では要件そのものを見直しましょう。

実態に見合った人材要件の設定は、適切な母集団形成を行う上で重要です。

ミスマッチが多い

応募者の人数は確保できていても、要件に合わないミスマッチが多く起こる場合があります。

これは求人広告や求人票に記載した要件が、応募者から想定と違うとらえ方をされている場合に起こります。採用担当者が人材要件を誤って認識していたり、記載した内容が誤解を生みやすい表現であったりすることが多いです。こういったことを避けるためには現場と人材要件の確認を十分に行い、求人広告の内容なども現場に事前に確認しておくことが必要です。

選考や内定の辞退

採用活動を進めている中で、選考途中の辞退は必ず起こります。多くの採用担当者は辞退率を下げたいと考えるでしょうが、例えば選考早期での辞退は、ミスマッチが早めにわかったという意味では決して悪いことではありません。

採用活動中の辞退で問題となるのは「採用したい人材の辞退」と「内定辞退」の2つです。さまざまな原因が考えられ、事業内容や組織風土などすぐに変えられないことや、他社との比較など自社だけでは解決できないことも含まれます。

よく原因を分析したうえで、解決できる課題は確実に解決し、採用市場動向などを把握・分析して、自社が求める人材の辞退を防ぐ取り組みを進めましょう。

法令に反しない募集と選考

採用活動では、求人に記載してはいけない文言や募集条件に対する法的な制限があります。

禁止されている要件として、具体的には以下のようなものがあります。

  • 仕事内容に性別の制限をかけること(男女雇用機会均等法)

  • 一部例外を除き、募集段階で年齢を制限すること(雇用対策法)

  • 特定の人- 団体などを差別した表記をすること(労働基準法)

これら関連する法令に関しては、内容を必ず把握、確認しておきましょう。

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最新の採用トレンド

ここでは2つの採用トレンドを紹介します。

リモート採用

ここ最近で特に活発になった取り組みは「リモート採用」です。急速に導入が進み、今は説明会から最終面接まですべてオンラインという会社も少なくありません。対面が可能な環境になっても、リモート採用はこのまま拡大していくことが予想されます。

リモート採用の導入はあくまで会社ごとの判断ですが、あまりリアルな対面にこだわりすぎると、今後は応募自体が敬遠されてしまう可能性があります。周辺状況を確認しながら進めるようにしましょう。

ミートアップ

もう1つは「ミートアップ」といって、カジュアルな説明会や懇親イベントの取り組みが注目されています。参加のハードルを低くし、あくまで会社を知ってもらうための取り組みとして、志望度が低い人材にもアプローチできるメリットがあります。

また、最近は個別の応募者へのきめ細かな対応が重視されており、採用担当者の労力は増してきていますが、採用難の環境下では、今後もこの傾向が続いていくと考えられます。

まとめ

採用担当者の仕事は非常に多岐に渡ります。さまざまな立場の人たちと適切なコミュニケーションを取り、調整を確実に進めていかなければなりません。採用活動は結局人と人とのつながりです。その中で採用担当者の果たす役割は非常に大きなものです。採用担当者は自身の役割を十分に認識し、さらにスキルアップできるように努めましょう。

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著者プロフィール

小笠原 隆夫(人事コンサルタント)

小笠原 隆夫(人事コンサルタント)

IT企業でエンジニア職、人事部門長として関連業務に携わる。2007年より「ユニティ・サポート」代表として人事・組織コンサルティングに従事。著書に『リーダーは空気を作れ!』(アルファポリス)。ほかウェブのコラム執筆多数。

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